「車に積んで旅先の足にしたい」「駐輪場がないので玄関にしまいたい」——折りたたみ電動バイクはそんな人のための乗り物です。ただしこのジャンル、小規模メーカー中心で売り切れ・受注停止が頻繁に起きるうえ、「折りたたみ=気軽」と誤解して法律面でつまずく人が多い。両方を正直に整理します。
この記事では、eモビナビ編集部が2026年7月時点の販売状況をメーカー公式で1台ずつ確認し、今買える現行モデルと法律の注意点を解説します。
時間がない人へ:買いやすさの本命はBLAZE SMART EV(239,580円・公式通販で販売中)。1台で自転車にも切り替えたいならglafit GFR-02(モビチェン付き308,000円)、予算重視ならAioon(158,000円)。いずれも原付一種=ナンバー・自賠責・免許・ヘルメットが必須です。
※価格・仕様・販売状況は2026年7月時点のメーカー公式確認値。このジャンルは在庫変動が激しいため、購入時に必ず最新状況をご確認ください。
買う前に知るべき前提:折りたたんでも「原付」です

折りたたみ電動バイクは、コンパクトでも法律上は原動機付自転車。電動キックボードの「特定小型(免許不要枠)」とはまったく別物です。
- ナンバープレート登録(市区町村窓口・販売証明書が必要)と自賠責保険が必須
- 原付免許または普通自動車免許が必要
- ヘルメットは着用義務——自転車や特定小型の「努力義務」ではなく、罰則のある義務です
- 歩道走行は不可。法定速度は30km/h・二段階右折も原付一種のルールどおり
- ペダル付きモデルでも、ペダルだけで漕いで走る行為も「原付の運転」(2024年11月施行の改正道交法で明文化)。モーターを切っても免許・ヘルメットの義務は消えません(フル電動自転車が公道NGの理由)
なお、今回現行確認できた折りたたみモデルはすべて原付一種でした。「折りたためる原付二種(125ccクラス)」は2026年7月時点で存在しません。二種が必要なら原付二種の電動バイク5選へ。
現行の折りたたみ電動バイク5モデル比較
| モデル | 税込価格 | 重量 | 折りたたみ時(mm) | 航続 | 販売状況 |
|---|---|---|---|---|---|
| glafit GFR-02 | 275,000円〜 | 約19.4kg | 750×500×600 | 約25km | 公式ストア売り切れ・販売店流通あり |
| BLAZE SMART EV | 239,580円 | 約20kg | 660×270×1,230 | 約30km | 販売中 |
| ICOMA タタメルバイク | 498,000円 | 63kg | 690×260×690 | 〜30km | 新規受注一時停止中 |
| Aioon | 158,000円 | 16.5kg | 400×260×1,060 | 25〜30km | 販売中 |
| SMART SCOPA AK-1 | 227,260円〜 | 22.5kg | 895×312×967 | 約20〜25km | 在庫変動(売り切れ混在) |
※航続はカタログ値。実走は体重・気温・路面で短くなります(航続のリアル)。
BLAZE SMART EV|今買いやすい本命
名古屋のブレイズ社製。約5秒で折りたため、縦型に自立収納できるのが実用上の強みで、玄関の隅に立てて置けます。定格0.35kW・航続約30km・バッテリー着脱式(48V/8.7Ah・充電約3.5時間)。前後ディスクブレーキ・USBポート付き。公式通販(楽天公式店含む)で普通に買える現行モデルという点が、このジャンルでは実は最大の美点です。
glafit GFR-02|「自転車にもなる」唯一の存在
和歌山のglafit社製ペダル付きモペット型。指紋認証キー「ユビロック」搭載、バッテリー着脱式で室内充電可。最大の特徴は後述のモビチェン(+33,000円のモビチェン付きモデル)で、ナンバーを覆って法的に自転車へ切り替えられる日本初の認定車です。公式オンラインストアは売り切れ表示が続いているため、購入は正規販売店の在庫確認から。
Aioon|158,000円の最安枠
全5機種中最安・最軽量16.5kgで、折りたたむと全長400mmと驚異的にコンパクト。ミラー・ウインカー・ブレーキランプ・ホーンなど保安部品標準装備を公式が明記しており、ナンバー登録して公道走行できます。最高25km/hと控えめな性能なので、「近所の足+車載」用途向き。メーカー体制の情報が少ない点は織り込んで、サポートは購入前に確認を。
ICOMA タタメルバイク|変形する「持ち運べる秘密基地」
スーツケース形状に変形する話題のガジェットバイク(定格0.6kW・最高2,000W)。ただし63kgあるため「折りたたみ=軽い」とは別物で、車載はラダーレールか2人作業が現実的。2026年5月から部材調達難で新規受注を一時停止中のため、現在は再開待ちです(公式サイトで案内登録可)。
SMART SCOPA AK-1/PREMIUM|12インチの安定感枠
大阪ブランド。12インチタイヤとディスク+E-ABSで、小径すぎる車輪が不安な人向け。PREMIUMはIPX4の防水配慮。公式ショップは売り切れ表示と販売中表記が混在しており、在庫は都度確認が必要です。
モビチェンとは:ナンバーを隠すと「自転車」になる制度
glafitが開発したモビチェン(車両区分を変化させられる機構)は、警察庁の通達(2021年)に基づく日本初の認定制度です。GFR-02のモビチェン付きモデルで、次の条件を満たすと原付⇔自転車を1台で切り替えられます。
- 切り替えは停止中のみ(走行中は不可)
- 自転車モードではナンバープレートをカバーで覆い、モーターで走れない状態にする
- どちらのモードかが外観でわかること
自転車モードでは免許不要になり、「自転車を除く」の一方通行にも入れます。「バッテリーが切れたら押して帰るしかない」というモペットの弱点を、「漕いで自転車として帰れる」に変えられるのは唯一無二。ただしモビチェンなしの通常版でペダル走行しても法的には原付のままなので、この機能が目的なら必ずモビチェン付きを選んでください。
車に積む・電車輪行の現実
- 車載:16.5〜22.5kg級(Aioon・GFR-02・SMART EV・AK-1)は大人1人でも積載可能な重さ。転倒防止の固定と、夏場の車内高温にバッテリーを放置しないことに注意(リチウムイオンは高温が大敵)
- 電車輪行:鉄道の手回り品は「3辺合計250cm・30kg以内」が基本ですが、袋に入れて無料持ち込みできる特例は「自転車」に限られ、原付を明文で認めた規定は主要鉄道会社に見当たりません。「折りたためる原付だから輪行OK」とは断定できないのが正確なところで、持ち込むなら鉄道会社への事前確認が必須です
- 飛行機:大容量リチウムイオンバッテリーのため機内持ち込み・預け入れとも不可
「公道走行できる車体か」の見分け方
格安の”折りたたみ電動バイク風”には公道走行不可の車体が混ざっています。チェックは3点。
- 保安部品が最初から付いているか:ミラー・ウインカー・ブレーキランプ・ホーン・ナンバー灯。後付け前提の車体は避ける
- 販売証明書が付属するか:ナンバー登録に必要。案内がない販売者は論外
- 「公道走行不可」「私有地専用」表記がないか:この表記の車体にナンバーは交付されても保安基準不適合の恐れ。整備不良は罰則対象です
よくある質問
Q. 普通自動車免許で乗れますか?
A. 乗れます。現行の折りたたみ電動バイクはすべて原付一種なので、原付免許または普通自動車免許でOKです。
Q. 維持費はいくらかかりますか?
A. 軽自動車税2,000円/年+自賠責保険(原付料率)が固定費で、ガソリン代の代わりは電気代数十円/充電です。詳しくはガソリン原付vs電動バイクの維持費比較へ。
Q. 雨の日も乗れますか?
A. 生活防水レベルのモデルが中心で、大雨や水たまり走行は想定されていません。考え方は雨天・防水の現実解で解説しています。
Q. 免許不要で乗りたいのですが。
A. 免許不要が条件なら、原付ではなく特定小型原付(電動キックボード等・16歳以上)を選ぶ必要があります。特定小型原付おすすめ7選をどうぞ。
Q. 航続25〜30kmで足りますか?
A. 「片道5km圏の街乗り」なら十分ですが、カタログ値の7〜8割で見積もるのが現実的です。長距離用途なら折りたたみではない原付一種の電動バイクが無難です。
まとめ:在庫が動く市場。「買える現行モデル」から選ぶ
- 折りたたんでも原付——ナンバー・自賠責・免許・ヘルメット着用義務は省略不可
- 現行は全機種が原付一種(30km/h制限)。二種の折りたたみは存在しない
- 買いやすさ本命=BLAZE SMART EV/自転車切替の唯一枠=glafit GFR-02モビチェン付き/最安=Aioon
- タタメルバイクは受注停止中、glafit公式ストアも売り切れ——このジャンルは「買えるときに買う」市場です
- 輪行は断定不可・飛行機は不可。車載が基本と考える
ペダル付きの「モペット」まで視野を広げると、価格帯はさらに下にも上にも伸びます。区分ごとの実売価格はモペットの値段はいくら?で整理しました。
電動バイク全体の選び方は電動バイク完全ガイド、維持費はガソリン比較、充電環境は自宅充電の解決策へどうぞ。


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